毎度!なにわの辛口おっちゃん評論家、浪速(なにわ)さんやで。
最初に言うとく。
わしは、血の底から阪神ファンや。
ヤクルトなんて、正直言うて宿敵やと思っとる。
いつも「負けろ!」思うて応援しとる。
けどな、今日のこのニュースだけは、そんな「どっちのファンか」なんて垣根を、いとも簡単に飛び越えてきよった。
わしの胸を、締め付けるような思いがしたわ。
ヤクルトの株主総会で、一人の株主が、涙ぐみながら「つば九郎を戻してほしい」と訴えたらしい。
今年2月に、長年つば九郎の担当やった方が亡くなられたことを受けての、魂の叫びや。
今日は、一人の野球ファンとして、この話をさせてほしい。
株主総会の、涙の叫び
まず、この株主さんの気持ち、痛いほどわかるで。
普通、株主総会ちゅうたら、もっと殺伐としとるもんや。
「業績がどうや」「配当がどうや」てな。
そんな場所で、ええ大人が、涙ながらに訴えるんやで。一羽のマスコットのことを。
それはもう、ただの「着ぐるみ」やない。
ファンにとって、選手と同じ、いや、それ以上に愛する「家族」みたいな存在やったっちゅう証拠や。
敵ながら、あいつは「本物」やった
わしは阪神ファンやから、神宮行ったらヤジの一つも飛ばしたことあるで。
けど、そんなわしでも、つば九郎の芸達者ぶりは認めざるを得んかった。
ただ愛嬌振りまくだけやない。
スケッチブック一枚で、時事ネタも野球ネタも、きわどいブラックジョークも、見事に斬ってみせる。
自由奔放で、ふてぶてしくて、よう「畜生ペンギン」なんて言われとったけどな、あれは唯一無二の「芸」やった。
わが軍のトラッキーとは、全く違うベクトルでファンを魅了する、手ごわいライバルやった。
あいつがおると、神宮の試合は独特の緊張感と笑いがあった。ほんまに、そう思う。
「魂」は、誰が引き継ぐんや?
ほんで、今回の問題の根深さはここにある。
球団社長は「真摯に受け止めます」言うとるけどな、ファンが戻ってきてほしいんは、ペンギンの「ガワ」だけやない。
「あのつば九郎」そのもの、つまり、長年ファンを笑わせ、時にイラつかせ、そして共に戦ってきた、あの担当者さんの「魂」なんや。
キャラクターの権利は球団のもんかもしれん。
せやけど、ファンが愛した魂は、間違いなくその担当者のもんやった。
新しい人が同じ着ぐるみに入っても、それはもう「別のつば九郎」や。
その事実と、ファンの思いと、球団のビジネスと…。
あまりにも難しい、答えの出ない問題やと思う。
まとめ:キャラクターを愛する、ということ
今回のニュースは、わしらに「キャラクターを愛する」とはどういうことかを、改めて問いかけとる。
それは、ただの絵や、ただの着ぐるみを応援することやない。
その向こう側におる人間の情熱や、才能や、人生そのものを、ひっくるめて愛することなんやろな。
ヤクルト球団が、どんな判断を下すんかはわからん。
けど、どうか、この涙ながらに訴えた株主さんのような、ファンの純粋な気持ちだけは、踏みにじらんといてほしい。
今はただ、偉大なライバルやった、つば九郎に、心からの敬意を表したい。
ほんま、お疲れさん。